今年一番面白かった本・・・
今年最後の日の「ブログ」は、何と399話目。
大晦日の今日は、今年一番面白かった本の話を・・・。
今年の8月頃、本屋の新刊コーナーで買った本のタイトルは、橘玲著「世界はなぜ地獄になるのか」
キャッチーなタイトルだが、中身は「リベラルの本質」についての考察本で、読み始めたら止まらず、買ったその日に一気に読み終えた。
凄く面白かったので、すぐ「ブログ」にもアップしようとしたが、簡単にはまとまらず、結局何ヶ月も下書きのまま放置していた。
日頃から疑問に感じていたリベラルの問題や、マスコミがタブーとしていた事象の具体例を詳しく分析、解説しているが、理解するにはそれなりの知識や読解力も必要で、何度か読み返したりもした。
表紙の帯には、早速聞き慣れない言葉もあって、まずは「キャンセルカルチャー」をGoogleで検索すると・・・。
私同様、よく分かっていない人もいると思うので、以下そのまま引用する。
「キャンセルカルチャー」とは、特定の人物・団体の発言や行動を問題視し、集中的な批判や不買運動などによって、その対象を表舞台から排除しようとする動きのこと。
この動きはアメリカを中心に2010年代中頃から広がり、最近では日本でも似たような動きが出ているようだ。
そう言われれば理解出来るし、これは常々私が疑問に感じていたことでもある。
確かに現在「表現の自由」と、それに「抗議する権利」の応酬が激しくなっている。
著者は「リベラル」を「自分らしく生きたい」という価値観だと定義している。
だとすれば「リベラル化」は決して悪いことではないはずだ。
しかしリベラル化によって、逆に格差が拡大し、社会がより複雑になって、我々は益々孤独になっているという。
リベラル化によって、自分らしさ (アイデンティティ) が、衝突するという矛盾が生じ、社会正義 (ソーシャル・ジャスティス) はめんどくさいとも・・・。
そうなると、結構ややこしい話になってくる。
また「弱い人に寄り添うのが正義?」「マイノリティに正義はあるのか?」という話は、日頃の私の疑問でもあったが、そこはこの本を読めば何となく理解出来る。
やっぱり、本の中身を簡潔に説明するのは難しく、長い間下書きのまま放置していた理由が今よく分かった。
再び本の帯からの引用になるが「誰もが自由に生きられる社会は、こんなにも不自由だ」という説には合点がいったということで、今年最後の「ブログ」を締め括りたい。
時間に余裕がある年末年始にはお勧めの本で、興味のある方は是非読んでみて下さい。