リタイヤ男のログハウス生活

リタイヤ後に海の近くのログハウスで第三の人生スタート

原発の処理水のこと・・・

福島原発のALPS処理水の海洋放出が、大きな社会問題となり、政府は沈静化に躍起になっている。


私が今までこの問題を「ブログ」で触れなかったのは、何が正しいのか、よく分からなかったからだ。


正直、今もよく分からないし、新たな情報を得て、今後考えが変わるかも知れないが、現時点の私の考えを「ブログ」に記してみることに・・・


8月24日から海洋放出が始まったようだが、ここでは中国の反対云々はさておき、国内でも賛否両論あって収まる気配がないのは、多分二つの理由からだと思っている。


まず一つ目は、政府と東電に対する不信感である。


政府の言うことが信頼出来ないのは、なにも今回に限ったことではないが・・・。


また今回の海洋放出で、彼らの発信する情報に嘘はないにしても、自ら都合のイイ情報だけ発信しているのではないかという疑問がある。


12年前の東北大震災で大津波が発生し、福島の原発施設の一部が破壊され、放射能が漏れ出した時も、事故当初から政府と東電の主張は二転三転し、一体何が本当なのか分からなくなったことは未だ記憶に新しい。


当時は政府も混乱していたのだろうが、それにしても国の危機管理能力が問われる最悪の事態だった。


二つ目は、科学的根拠の裏付けが、今一つ脆弱なことだろう。

確かに海洋放出するトリチウムの量だけ比較したら、政府や東京電力の主張通り、各国より圧倒的に少ないのは本当だろう。


IAEAも問題ないとしているが、彼らは元々原子力発電推進派なので、ニュートラルな立場での発言とは思えない。


IAEAはのっけから海洋放出ありきで、100%信頼してイイかどうかは難しいところだ。


なので今も、海洋放出に反対している日本人の科学者が少なからずいる。


彼らの中には親中派や、日本政府の足を引っ張ろうして反対している人もいるかもしれないが、そうでない人もいるはずで、彼らは彼らなりの科学的根拠を示し、汚染水の海洋放出に反対している。


ここでは処理水ではなく、彼らが汚染水と言ってるので、その通り書くことにする。

私には専門的なことは分からないが、彼らは燃料デブリに直接触れた汚染水と、原発を冷却するために使った処理水とは根本的に違うと主張している。


この主張には、それなりに説得力がありそうだ。


彼ら曰く、普通に稼働している原発が流す処理水には、トリチウムだけが含まれている。


しかし、燃料デブリに直接触れた汚染水にはトリチウムだけでなく、セシウムやストロンチウムに加え、炭素14などの放射性物質が含まれている。


それらがどれぐらいの量で、どれほどの影響があるのかは分からないが、炭素14はDNA、即ち遺伝子を傷つける恐れがあるらしい。


では今後、どれぐらいの時間の経過で人体に影響を及ぼすのか、及ばさないのかは多分、誰にも分からないだろう。


将来に渡って、有害か無害か分からないことは、やらないに越したほうがイイに決まっている。


ところが貯めるだけ溜め込んだ処理水も、もうすぐ敷地内のタンクが満杯になり、政府としては海洋放出以外に選択肢がない状況に追い込まれているのだ。


まあ理論的には他にも方法があるようだが、莫大な経費がかかったり、時間もかかったりして、現時点ではどうも現実的ではないようである。


なので繰り返すが、今回の海洋放出は、他に選択肢がないことが前提になっている。


であれば政府は、それを目一杯理論武装して、メディアを通して国民を説得、納得させるしかない。

産経新聞はALPS処理水は安全だと、政府の立場を代弁しているが、福島の漁民の立場を代弁して、海洋放出に反対しているメディアもある

国が常に正しい情報を、タイムリーに国民に知らせるかと言えば、そんなことはないと思う。


例えば極端な話だが、明日地球が滅びることが分かっていたとしたら、早くから政府は国民にその事実を知らせるだろうか・・・。


否、私が首相でも絶対に知らせない。


これもあり得ない例えだが・・・ (笑)


なぜなら、知らせたところで脱出する術がなければ、全国民がパニクって混乱するだけで、何一つイイことはないからだ。


もし国民に、どうしても事実と覚悟を伝えるなら、多分人類が滅びる1時間か30分ぐらい前で十分だろう。


そうなった時は、全員が座して死を待つ以外に方法は無い。


変な例えになってしまったが、この例えには伏線がある。

実は2011年の東北大震災当時、私はインドネシアから本帰国したばかりで、その後すぐにマレーシアへ再赴任した。


多分そこで聞いた話なので、出所が分からず信憑性に疑問があるかもしれないが、当時アメリカ政府は、どうも東京にいる自国民に避難を呼び掛けていたというのだ


彼らは放射能流出による汚染や被曝が、東京にまで及ぶと予想していた。


幸いにも当時、西風が吹いて放射能は東側の太平洋の海に流れ、首都圏は被害を免れたようだが、もし北風だったら・・・という話である。


日本政府や日本のメディアは当時、一言もそんなことは言わなかっただろうし、言ったら首都圏はパニックだったに違いない。


要するに、選択肢のない現実的な悲劇には、情報操作をしてでもコントロールするしかないのである。


私は今回の海洋放出が、そうだと言ってないが、ほぼ選択肢がない状況では、未来永劫の安全性が担保されなくても、当面問題がないと判断したらやるしかないのだ。


ただ一つ言えることは、我々高齢者はあと何十年も生きられないので、福島産の魚を食べても、すぐに被曝して病気になったり、死ぬようなことはないだろう。


ただ若い夫婦が幼い子供の将来を考えて、手を出すのを躊躇する気持ちは十分理解出来る。
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ということで、ALPS処理水の海洋放出の是非はハッキリしないままだが、私の「ブログ」にしては、珍しく半日かけた力作?の長文になってしまった。


尚、今日の話は全て、私の持つ情報や知識からの独断ですので、念のため。

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