水中写真の思い出・・・
先日の「ブログ」にも書いたが、この夏は白崎の「ログハウス」の前の海で、シュノーケリングを楽しんでいる。
水中撮影にも少し興味が湧いたので、水中カメラをチェックしに、梅田のヨドバシカメラへ出掛けた。
ただ購入するつもりで行ったわけではなく、あくまで下見のつもりだったのだが・・・。
手頃な価格の水中カメラはコダックのみで、メモリーはミニSDカードだが、携帯とも繋がるWIFI接続機能が便利そうだ。
詳細を確認しようとスタッフを呼んだら、このモデルは今人気で在庫はないとのこと。
デザインも悪くないし、これで水深15mまでOK
「それは残念!」と言ったら、買うつもりだったと勘違いしたのか、他店に在庫がないかチェックしてくれるという。
しばらく待つと、東京の支店に1台だけ在庫があり、買うなら送ってくれるらしい。
買うと決めたわけではなかったが、最後の1台と言われると不思議なもので欲しくなる。
と言うことで、結局購入することになった。
ただ本格的に水中撮影が出来るハイスペックなモデルではないので、あまり期待はしていないが、これでシュノーケリング時の楽しみがひとつ増えた。
水中カメラといえば、私には懐かしい思い出がある。
実は大昔、私は「ニコノス」というニコン・ブランドの水中カメラを持っていた。
当時唯一ケースに入れず、そのまま海中で撮影出来る、知る人ぞ知るカメラとして有名だった。
50年前は、水中写真家という職業自体が珍しく、プロのダイバーが片手間に水中写真を撮るのが一般的な時代だった。
そんな時代に、私が感動する素晴らしい水中写真を撮っていたカメラマンがいた。
日本の水中写真家の第一人者「館石 昭」である。
当時、定期購読していた「マリンダイビング」という雑誌の発行人で、私も投稿したことがあった。
50年も前の、それも会ったこともない人の名前を、今もしっかり憶えている自分にもビックリするが、それほど彼は私にとって印象深い人物だった。
また彼に強い親近感を抱いたのは、彼のバックグランドがデザイナーだったことにもある。
撮影された水中写真には、デザイナーとしてのセンスとクオリティが感じられた。
当時は私もデザイナーだったので、一方的に彼にシンパシーを感じ、一時は本気で水中カメラマンになりたいと思った時期があった。
同じデザイナーとして、プロのダイバーより、イイ写真を撮る自信もあったのだが・・・。
しかし実際にやってみると、潜りながら水中で写真を撮るのは簡単なことではなく、想像以上に難しかった。
なぜならニコノスは、露出もピントも全て手動で、色味も深度によってフィルターで調整したりして、かなりの経験を積まないと、人を感動させるような水中写真は簡単に撮れないことがよく分かった。
また今のデジカメとは違い、フイルム撮影なので現像に出すまで、どんな写真が撮れていたか全く分からない。
毎回36枚のうち、ピントもあって何とか見られる写真は2、3枚しかなかった。
そこで本格的に水中写真を撮るには、ニコノスでは限界があり、一眼レフのカメラに合わせた水中専用のハウジング・ケースの必要性を痛感した。
今もそうだが、ダイビング自体がお金のかかる趣味だし、当時の私にこれ以上お金をかけてクオリティの高い水中写真を撮り続ける経済的な余裕はなかった。
脱サラして、本気で取り組む勇気も自信もなかったので、水中写真家になる夢は早々に諦めた記憶があるが、今となっては懐かしい思い出だ。
まあそんな訳で、今回は簡易型の水中カメラを衝動買いしたが、今更プロの水中写真家になるつもりはないので(笑) 白崎の海中の様子を、いつか「ブログ」を通して伝えられれば満足ですし、それを目標にします!